この記事では、陰山メソッドとして世間に広く知られるようになった
100ます計算について、私がとりくんできたやり方と
その効果について書きます。
100ます計算について、私がとりくんできたやり方と
その効果について書きます。
1.100ます計算の本当の効果
![](https://horumont.info/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
計算なんだから、計算力が向上するんでしょ?
もちろんそのとおりです。
最初はかけ算が主流だったものが、たし算でもとりくまれるようになり、
なんと、引き算や割り算でもできる100マスが編み出されたようです。
最初はかけ算が主流だったものが、たし算でもとりくまれるようになり、
なんと、引き算や割り算でもできる100マスが編み出されたようです。
たし算だと、繰り上がりのたし算になるので、
小学校1〜2年生でとりくんでいれば、
筆算などを習得するときのハードルがさがりますし、
かけ算なら、その後の割り算や桁数が増えた筆算でも
抵抗なく習得しやすくなります。
小学校1〜2年生でとりくんでいれば、
筆算などを習得するときのハードルがさがりますし、
かけ算なら、その後の割り算や桁数が増えた筆算でも
抵抗なく習得しやすくなります。
しかし、後に紹介するやり方を実践すれば、
100ます計算はそれだけではない大きな効果をもたらしてくれるのです。
それは、
100ます計算はそれだけではない大きな効果をもたらしてくれるのです。
それは、
モチベーションアップ 自己肯定感アップ
です。
計算の種類はなんでもいいのですが、
継続してとりくむことで、このような効果があるんです。
そして、その効果を最大限引き出すためにはその方法も大切です。
私はこれまで教室での実践と個別での実践にとりくんできました。
必要な準備とそれぞれの方法やようすについて紹介します。
です。
計算の種類はなんでもいいのですが、
継続してとりくむことで、このような効果があるんです。
そして、その効果を最大限引き出すためにはその方法も大切です。
私はこれまで教室での実践と個別での実践にとりくんできました。
必要な準備とそれぞれの方法やようすについて紹介します。
2.ポイントと必要な準備
ポイント
ポイント1 継続と記録
毎日、あるいは何日かに一度でいいので、継続してとりくみ、その時のタイムと得点を記録していきます。縦の左側の軸にはかかった時間、縦の右側の軸には得点の目盛りをとり、横軸は日付です。
ポイント2 途中でも5分で終わる
100マスあれば100マス埋めたくなるのが人情ですが、
そこは非常に5分たったらやめさせます。
その時点で答えあわせもします。
グラフに記録するときは、「点数は○点、時間は5分」でつけていきます。すると、まずは点数が徐々にあがっていき、5分以内に追われるようになると、そのタイムが徐々に早くなっていく様子がグラフに可視化されていきます。
ポイント3 消しゴムは使わない
汚くても読めればOK。まちがえたときは、二重線などで消して横にでも、矢印でつないででもいいので、こたえを書きます。
ポイント4 書くときは上から1行ずつ進んでいく
子どもでよくあるのが、次の2つのパターン。
「0」「1」のところだけ先に書いてしまう
できそうな段から書いていく。
いきなりそのやり方を押し付けなくてもいいですが、
個別指導のときは。「お、かんたんなところから先にやるパターンですね。考えてやっていますね。」と最初はそのままにして、タイミングを見てこのアドバイスをしましたが、集団指導のときは最初からこのことをお伝えしていました。
結果としては、順番にやるほうが絶対に早くできるようになります。
100ます計算用のますが書かれたプリントがたくさん。
1行目、1列目は空白になっているものがのぞましいですが、子どもの現状によっては、連番がすでに入っているものを用意したり、バラバラの順番だけど同じものを用意するときもあります。
基本的には毎日とりくむことが推奨されますので、私は、印刷失敗の用紙の裏に印刷してたくさん用意していました。
スプレッドシートで作ってみました ー> こちら
グラフ用紙
3.集団指導での実践方法
集団での実践でこまるのは、個別に対応するのが難しいということです。初任のときにある先生に教えてもらった方法がとてもスムーズでした。
先にあげたポイントを忠実に守って実践します。私の場合は、算数の時間のはじめに必ずとりくむことにしていましたので、チャイムが鳴ったら、無言で配り始めます。
「先生まって〜!」という声には、「先生は待ちません」と言いながら、ぎりぎりならなんとなくゆっくりと動きつつ、開始します。
1.チャイムがなったらプリントを配布。
2.全員に行き渡ったのを確認して、黒板に0〜9の数字をランダムに並べて書きます。
3.子どもたちは、その数字の順番通りに横軸、縦軸に記入します。
4.よ〜いスタート!の合図でスタート
5.私はストップウォッチを見ながら、1分たったら「1」、2分たったら「2」と大きく書いていきます。
6.私は教室全体を見渡しています。最後までできた子どもは、だまって手をあげます。
7.手をあげた子を見て、その時の「秒」だけを落ち着いた声で伝えます。
8.その子は自分のプリントに、黒板を見て分を、私から聞いた秒を記入します。
9.全部終わった人は、もう一度見直して、間違いに気づいたら書き直しOK
10.5分たったら終了、赤鉛筆に持ち替えて答え合わせ。私が上から横に答えを読んでいきます。
11.答え合わせ後、グラフに記録、画用紙に貼り付けたりします。
やりはじめは、グラフの書き方や段取りになれないなど、少し時間がかかりますが、5分で終わることを徹底すればそんなに多くの時間を使いません。慣れれば10分以内に終わります。
ときには、バラバラの九九が難しいという子どももいます。そんな子には全体の中で連番を選べるようにしたり、クラス全体がそのような状態なら、連番を一定期間続け、下がり九九、1,3,5,・・、バラバラというように、難易度を徐々に上げていったりもします。
4.個別指導で実践したときのようす
学習に向かうことができない子どもと
生活指導を担当していたときに、教室に入れず学校をフラフラとする子ども2人を主に見ていたときがありました。そのときに、タイミングを見つけて「1日に1時間だけおれと勉強する?いいのんあるねんけどなあ」と声をかけて、それが実現したときがありました。とはいえ、なかなか学習に集中はできず、とにかく、「100マスだけ毎日やろ」と約束して、とりくみました。
基本は集団でのやり方を同じ方法をとりましたが、相手が2人なので、そのあたりは柔軟にすることができました。
「自分はどうせできへん」という気持ちがとても強いので、集団でのやり方をそのままやっても、逆効果です。
最初は連番から
スタートはもちろん、連番のプリントでした。
2人のうち1人は比較的九九は定着していたので、すぐに5分を切り、2分代までそんなに時間はかかりませんでした。
もうひとりは、なかなか100問終えることもできませんでしたが、グラフに付けて、少しずつ良くなっていること、人間は良くなったり、また、できなくなったりして成長するんだなどと励ましながらやっていったので、なんとか、続けることができました。
20回くらい続けていると5分を切り、みるみる計算が早くできるようになっていきました。
自分をおさえて、目標に向かう姿
先にできるようになっていたこどもが時々ドヤ顔をしたり、さりげなく、できないことをディスったりすることもありました。よくけんかにもなる子どもだったので少しひやひやしましたが、そういう言動をしれっとスルーできたりもしました。「ふーん、そうなん」「おれは次は○分めざすねん」
そんなときは、少し後ですかさず、「あれいいね」と声をかけていきました。
そんなときは、少し後ですかさず、「あれいいね」と声をかけていきました。
基本的には1日に1回だけというルールでやっていたのですが、「もう1回だけ!」と懇願するときもありました。個別だっったので、これも、様子を見つつそれを受け入れるときもありましたが、たいがい2回め以後は記録が伸びませんでした。「1回目がんばったらのうみそつかれんねん」などと励まします。
5.まとめ
以上のように、百ます計算は計算力向上や集中力アップだけではなく、子どもたちの学習への姿勢ややモチベーション高揚、継続による効果の実感から自己肯定感アップなどの効果もあると思います。
「がんばれ」「もっとはやく」というような声かけではなく、大丈夫、練習すればできるようになるよとか、子どもを安心させるような声かけを大切にすることです。
ある程度できるようになってくると、記録はあまり伸びません。早い人だと1分30秒とかもききますが、だいたい2分〜2分30秒くらいでできるようになったら、ストレッチゾーンを意識して次の課題にすすむことを提案するのが良いと思います。
100マス計算を1つのツールとして、さらに、深い学びにすすめるように意識しておきたいものです。
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